1人50万円…世界大会を前に西原高マーチング部を悩ませるもの チャリティーコンサートなどで資金支援募る


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 4年に1度オランダで開催される「世界音楽コンクール」に、西原高校マーチングバンド部が日本代表として出場する。部長の屋良和佳菜さん(17)と副部長の松田花さん(17)、樅山うららさん(18)らと関係者が6月30日、琉球新報社を訪れ、7月下旬の本番を前に「世界一になり、沖縄の人たちに元気を届けたい」と意気込みを語った。

意気込みを語った西原高マーチングバンドの(前列左から)松田花さん、屋良和佳菜さん、樅山うららさん。(後列左から)前野恒宏西原高前PTA会長、崎原盛秀西原町長、安次富利恵子西原高校長、新島悟西原町教育長、仲地範禮西原高教頭=6月30日、那覇市泉崎

 「音楽のオリンピック」とも言われるコンクールで、西原高校は1997年の初出場から、2017年の前回大会まで毎回金賞を獲得。そのうち01年、05年、17年は最高賞のベストインターナショナル賞に輝いた。21年に開催予定だった大会は、新型コロナウイルスの影響で今年に延期された。

 7度目の今回は、チャンピオンシップ部門に出場する。26日に沖縄をたち、29日の予選、31日の決勝に臨む。部員67人をまとめる屋良さんは「コロナ禍で短時間の練習など難しい部分もあったが、目標に向けみんなで練習を重ねてきた」と語った。松田さんは「世界一を常に意識してきた。練習の成果を発揮したい」、樅山さんは「去年参加できなかった先輩たちの分も楽しみたい」とそれぞれ笑顔で話した。

 一方、大会出場の経費は高いハードルに。大会後はコンサートなどに出場予定で、12日間の日程で自己負担の旅費は1人約50万円。楽器輸送には700万円ほどかかる。同校PTAが一部支援するが、不足分は保護者の大きな負担になる。

宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催されたスーパーマーチング2019で演舞を披露する西原高校マーチングバンド=2019年12月

 そこで、前PTA会長の前野恒宏さんや安次富利恵子校長、西原町の崎原盛秀町長らがマーチングバンド部を「世界音楽コンクール」に送る会を発足。資金造成活動を展開している。同席した崎原町長は「世界に羽ばたく子どもたちをぜひ応援してほしい」と語った。16日に那覇市民体育館、17日に具志川総合体育館、18日に西原町民体育館でチャリティーコンサートを開催する。入場料は1人千円。寄付やコンサートに関する問い合わせは西原高校(電話)098(945)5418。

(吉田早希)