復帰50年、世替わりたどる 県博、史料や美術の特別展開幕


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復帰50年を記念した企画展で学芸員から展示について説明を受ける関係者ら=20日、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄の日本復帰50年を記念し、県立博物館・美術館が企画した二つの特別展が20日、那覇市おもろまちの同館で始まった。沖縄返還協定文書などの歴史的文書や、世相を反映した美術作品などを通して「世替わり」をたどることができる。

 博物館の「沖縄、復帰後。展―いちまでぃん かなさ オキナワ」(9月19日まで)は、1972年5月15日に開かれた復帰記念式典の招待状などのほか、プロボクシング元世界王者の具志堅用高さんのチャンピオンベルトなど幅広い分野の資料を展示。2000年の九州・沖縄サミットで各国首脳が着たかりゆしウエアなどもある。

 美術館のコレクション展「フッキ クオリア―『復帰』と沖縄美術」(来年1月15日まで)は、画家の真喜志勉さんが復帰を風刺したシルクスクリーン作品「大日本帝国復帰記念」(1972年)などを展示した。前期(10月16日まで)に復帰前、後期(10月22日から来年1月15日)に復帰後の作品を展示する。

 開会式で玉城デニー知事は「沖縄は葛藤や試練を抱えて成長してきた。資料や美術作品を通し、世替わりを追体験してほしい」と呼び掛けた。問い合わせは同館(電話)098(941)8200。