治験へ署名活動 沖縄型筋萎縮症 家族会、国に要請へ


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
沖縄型筋萎縮症の家族会「希の会」のメンバー=9月29日、沖縄市の愛音楽(アネラ)ハウス

 沖縄型神経原性筋萎縮症に関して、患者・家族会「希(のぞみ)の会」が9月12日から、沖縄型の治験開始に向けて署名活動を始めた。年末までをめどに署名活動を行い、国に対して沖縄型の治験の援助を求める。

 筋肉が10年単位で衰えていく沖縄型神経原性筋萎縮症に関して、国立沖縄病院がプロトコル(治験実施計画)を作成し、その完成に伴い、治験を始まる。プロトコル策定は5カ月から1年後をめどに完成する。
 沖縄病院神経内科の諏訪園秀吾医長によると、これまで症状の進行を遅らせる対症療法を行ってきた。治験では綿密に調整された薬の投与による対症療法も行う。効果は期待できるが、その効果がどの程度なのか、現段階で不明だ。
 諏訪園医長は「過度に期待するべきではないが、沖縄型の治療の可能性が見えたことは大きな一歩だ。これから長期的に治験を行う必要がある」とした上で「沖縄型の治験で治療の方法が前進すれば、類似の症状が見られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療にもつながる可能性がある」とその意義を語った。
 沖縄型の家族会「希の会」は署名活動開始にあたり、我如古盛健会長は「治験開始で問題がすぐに解決するわけではないが、治験は希望だ。今後は家族会として署名活動を通して治験のサポートをしていく」と語る。幸地努さん(44)は「沖縄型に悩んでいるが、表に出て来られない人はまだいるはずだ。こんな時だからこそ団結しないといけない」と希の会の入会を呼び掛けた。嘆願書は我如古会長のブログ「ケンのだいじょうぶやみ!」でダウンロードが可能。問い合わせは我如古会長(電話)090(8290)5746。