異業種間で事業承継、工具卸の島袋がクリーニング機器販売の朝日技研を引き継ぎ


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アサヒ技研の知念久子社長(右から2人目)から事業を引き継ぐ島袋の島袋盛市郎社長(同3人目)=那覇市東町の琉球銀行本店

 工具・金物卸売の島袋(浦添市、島袋盛市郎社長)はこのほど、クリーニング機器販売などを展開するアサヒ技研(那覇市、知念久子社長)に対し企業の合併・買収(M&A)による事業承継を実施した。琉球銀行(那覇市、川上康頭取)が仲介。島袋氏がアサヒ技研の社長を兼任し、社名や従業員、取引先などは変わらず引き継がれる。

 アサヒ技研は1970年創業した。2018年に当時の社長だった夫の學氏が急逝したため知念氏が引き継いだが、後継者不足に悩み21年2月にM&Aを決断した。琉銀の支援を得て、事業の多角化を模索していた島袋と協議を重ね、同年12月に基本合意書を締結し、7月11日に株式譲渡契約書を締結した。

 知念氏は「経営は誰でもできるものではなく、(企業として信用のある)島袋さんに引き継いでもらえてよかった」と話した。「アサヒ技研のよいところは伸ばし、だめな部分は改善してほしい」と要望した。

 島袋氏は「業種が異なるので悩んだが、琉銀の支援を得ながら疑問を一つずつ解消していった」と振り返る。「アサヒ技研は技術力もあり、事業をさらに拡大できる力を備えている。自社と共に発展していきたい」と抱負を語った。
 (小波津智也)