投手陣は左右3枚を軸、下位まで長打狙える 興南の戦力分析 <夏の甲子園>


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 沖縄代表の興南は大会第3日の8日、第4試合(午後3時半開始予定)で市船橋(千葉)と1回戦を行う。4年ぶり13度目の出場の興南と15年ぶり6度目出場の市船橋。双方の戦力を分析した。沖縄勢の千葉勢との対戦成績は春夏通算で5勝3敗となっている。

興南のエース生盛亜勇太

 興南は攻守で総合力が高い。昨秋の県大会を制覇して九州大会に臨んだが、春の選抜出場の参考となる4強入りは逃した。春季大会は新型コロナウイルス陽性者が確認され出場を辞退。夏の大会は、それまでの悔しさを甲子園に行く強い決意に変え、頂点をつかみ取った。

 投手陣は右腕の絶対的エース生盛亜勇太、右腕の安座間竜玖、2年生左腕の平山航多の3枚を軸に戦う。生盛と安座間の夏の県大会での防御率は0・6台で安定。チーム防御率は1・02で大崩れはない。

 生盛はスライダーやカーブ、フォークを操り、最速147キロの直球で内外のコースを突いて勝負する。181センチの安座間は高さを生かした投球をし、平山は淡々と投げ込んでチームにリズムをもたらす。守りは基本の徹底を心がけ、1試合の平均失策数は1・2となっている。

 チーム打率は3割1分6厘。上位から下位まで長打を狙える打者がそろう。打率4割7分1厘を誇る3番の禰覇盛太郎主将がチームを引っ張り、4番盛島稜大、5番安座間の中軸は破壊力がある。中堅から左方向への打球を狙いつつ、つなぐ打線を意識している。

興南の大型大砲・盛島稜大

 沖縄の日本復帰50年の節目で、興南は学校創立・野球部創部60年目でもある。我喜屋優監督は「一暴れしたい」と意気込む。2010年に春夏連覇した際の主戦である島袋洋奨バッテリーコーチがおり、甲子園で戦う準備を整える。チームとして優勝旗が再び海を渡ることを虎視眈々(こしたんたん)と狙う。

(金良孝矢)