32軍壕、第5坑口周辺土地 県、本年度中に取得へ


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第32軍司令部壕第5坑口=7月、那覇市首里金城町

 第32軍司令部壕の保存・公開を巡り県は12日、首里金城町側の民有地にある第5坑口周辺の土地取得費用などを9月補正予算に計上し、本年度中に取得する見通しを示した。県は今年3月に開いた「第32軍司令部壕保存・公開検討委員会」の第5回会合で、第5坑口は2025年度、第1坑口は26年度に公開を目指す方針を示している。

 第1坑口や第1坑道は位置が特定できていないため、県は本年度、最優先で位置特定調査を進める。調査は8月下旬から始め、来年1月末までに結果を取りまとめる。

 本年度は委員会の下に「平和発信・継承検討グループ」と「技術検討グループ」を置き、それぞれの専門家が詳細な部分を詰める。委員会は本年度末までに意見を取りまとめ知事に提言する。提言内容に、どこまで保存・公開や活用の具体的な方法を盛り込めるか、調査状況が不透明な中で難しい部分も想定される。
 (中村万里子)