全国高校総合体育大会・四国総体第19日は15日、香川県の丸亀市民体育館で、なぎなた団体戦が行われた。決勝で首里が南陽(京都)を2―0で退け、全国制覇を成し遂げた。県勢の団体優勝は3年ぶり8度目となる。3年生は夏の高校総体県大会で引退しており、泉水ほのか主将ら2年生主体で挑んだ。個人試合決勝トーナメント2回戦の泉水(首里)は準々決勝で敗れ、8強入りの5位だった。
泉水、チームの窮地救う
首里は準々決勝の松浦(長崎)戦で窮地に立たされていた。
大将の泉水ほのかに回ってきた時点で0―1。引き分けは許されず、勝つしかなかった。
不利な戦況の中で勝負を託されたが「強い気持ちで前に出て1本取りにいく」と後ろ向きな気持ちはみじんもなかった。鬼気迫る連打で常に攻め続けたが、意外にも「冷静に試合運びができていた」と相手の動きをきちんと先読みしていた。面一本で道を切り開き代表戦へ。泉水が再登場し、ここでもうまく相手の動きを見切り、得意の小手を決め勝ち抜いた。
「右中段で自分の逆構えだったがやりやすくて狙い通りの小手だった」と主将としての役割を十二分に果たした。泉水は「みんな個々の力はあるのにチームとしての流れをつくれず、昨年の全国総体5位、新人や選抜では県内でライバルの知念に負けて悔しい思いをしてきた」と日々の練習にその思いをぶつけてきた。
団体戦へのこだわりを強く持ち、最高の結果をつかんだことに「努力が報われた。これで満足せず、来年は連覇も目指したい」と静かに闘志を燃やした。
(大城三太)
娘・美羽と頂点かみしめ 栄野川監督、感極まる
首里の栄野川里美監督は試合後、選手たちに囲まれ感極まった表情を見せた。「力のある選手たちで、半分は小学生の頃から指導に携わってきた。個性があり過ぎてまとめるのが大変だったけど」と苦笑いする。娘の美羽と親子で全国一の味をかみしめた。
3年生は夏の高校総体県大会で引退しており、6月の全九州大会からは2年生主体でチームを組む。九州も制しており、実力は折り紙付きだ。全員が小学校から競技に慣れ親しみ、小中で全国上位の成績も残している。栄野川監督は「厳しい戦いばかりだったけど、最後は気力でやり抜いてくれた」と選手をねぎらった。
(大城三太)