弓道成年女子沖縄代表、鍵は「最初の2本」 国体3年ぶり開催、きょうから会期前競技会


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 新型コロナウイルス禍により実施を断念してきた国民体育大会が栃木県を会場に、3年ぶりに開催される。10月1日の開幕を前に9月10日から水泳など会期前競技会がスタートする。沖縄代表は弓道、水球、アーティスティックスイミング、競泳、ビーチバレーボールなどに出場する予定だ。国体は2019年に茨城大会が開かれたが、20年に予定された鹿児島大会は23年に延期。1946年から続く歴史で初の事態となった。昨年は三重県が中止に踏み切った。3年ぶりの開催となり、県勢も30位台を目指し意欲を燃やしている。


弓道女子 鍵は最初の2本

 九州ブロック大会で1位通過を果たした弓道の成年女子が2016年の岩手国体以来、6年ぶりに本大会出場をつかんだ。昨年もブロックを通過したが、予定されていた三重国体はコロナの影響で中止が決まった。

成年女子では6年ぶりの出場となる弓道沖縄代表の(左から)外間みゆき、有水ゆい、益本奈緒子=那覇市の奥武山運動公園弓道場

 昨年に続き県代表に選ばれた有水ゆいは「開催されることを祈っていた。今年は昨年よりさらに雰囲気がいい。挑むことができて本当にうれしい」と全国の舞台に心を躍らせた。

 3人1組の団体戦。近的と遠的の2種目で競う。最初に射る大前に6年ぶりに出場する外間みゆき、中は初挑戦の有水で、落ちの益本奈緒子は10年ぶりの国体となる。

 それぞれ県予選を勝ち抜いた。大事な1本目の的中率が高い外間、全体的に的中が高確率の有水、大事な場面での勝負強さがある益本と互いに評価し合う。苦手なところも聞き取りした上で立ち順を決めた。

 勝負の鍵を握るのは「最初の2本」と声をそろえる。今回の立ち順もそのため。有水と益本は外間の滑り出しに期待する一方で、外間は「失敗しても有水が止める。その安心感で矢を射たい」と、互いに信頼を置く。益本は元々一番後ろの落ちを得意とする。最後の勝負を託される場面も多い落ちだが「しっくりくる」と頼もしい。

 本大会では「1、2本目を大事に取って後半攻めのリズムに乗りたい」と理想的な戦い方を思い描く。九州ブロックでの出来栄えは半々だったが、課題を整理できたという。

 弓道は成年男子、少年男女ともブロック通過はならなかった。県代表として3年ぶりの国体開催に出場できる喜びを感じながら、有水は「気負いなく予選突破で8強に入り、決勝トーナメントに進みたい」と意気込みを語った。

(謝花史哲)