人手不足、コロナ前並み 7~9月県内 景況2期連続プラス


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 沖縄総合事務局財務部は13日、7~9月期の法人企業景気予測調査の結果を発表した。前回調査(4~6月期)と比較した企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)は1・5ポイント上昇のプラス11・7となり、2期連続で「上昇」超だった。雇用では、前回調査(6月末)と比較した9月末の従業員数判断BSIが9・8ポイント上昇の35・0で「不足気味」超幅が拡大し、新型コロナウイルス禍以前となる2019年12月末(35・7)に迫る水準となった。新型コロナ感染防止対策と経済活動との両立や行動制限のない状況が続き、観光を中心に県経済の回復基調が鮮明となる中、人手不足が浮き彫りとなった。

 BSIは回答内容の企業構成比で「上昇(不足気味など)」から「下降(過剰気味など)」を差し引いて算出する。

 従業員数判断BSIを業種別に見ると、製造業は「不足気味」超が7・6ポイント拡大し53・8を記録した。雇用関連調査が導入された2004年以来最大の数値となっている。非製造業でもサービス業が24・9ポイント増の47・6と高い水準となり、「不足気味」超幅が拡大している。

 回答企業からは、社員が高齢化する一方で若手の担い手が足りず、少ない人員での対応になるために需要を十分に取り込めていないなどの声が寄せられている。

 景況判断BSIの業種別では全7業種のうち6業種で「上昇」超で、最高は運輸業・郵便業の42・9だった。唯一マイナスだった情報通信業も「下降」超幅を縮小している。22年度の売上高(エネルギー関連や金融・保険を除く)は全産業で9・1%の増収を見込み、経常利益(同)も全産業で48・5%の増益を見込んでいる。

 鈴木徹財務部長は「全国の中小企業では景況感の下降が続く中、県内企業の前向きなマインドが見て取れる。一方で原材料価格の高騰や円安、人材不足などがこの先の企業活動にどう影響するのかを、引き続き注視していきたい」と語った。

 調査は県内企業121社を対象に実施し、91・7%に当たる111社から回答を得た。

 (小波津智也)