復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉9月26日「日中正常化で合意/日米両首脳」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年9月26日の琉球新報1面トップは、「日中正常化で合意/田中・周両首脳の初会談/早くも核心に/議題には台湾問題も」との見出しで、中国を訪問している田中角栄首相が周恩来首相と初会談している様子を掲載している。関連記事も多く「両首脳、冒頭から/率直に意見交換」「周首相、アジアの緊張緩和に寄与/田中首相、数十年間の不幸を反省」「周首相あいさつ/任務を果たす時/『小異を残して大同につく』」「田中首相あいさつ/あすのため話し合う/『中国国民に多大な迷惑』」の見出しで両首相の発言要旨なども紹介している。

 1面下のコラム金口木舌でも田中首相訪中を取り上げ「北京の中国政府も、台北の国府も、ともに主権を主張している石垣市管内の尖閣列島の問題や県下に数十年も住みついて農業などに従事し、帰化を望みながら、かなえられないままになっている台湾籍の人たちの取り扱いなど、むつかしい問題もある」と懸念を示しつつ「沖縄が中国との交流に、ひとつのルートの中継基地としての役割をになうことや3年後に沖縄で開かれる国際海洋博に中国も参加してもらうなどの具体的な日中友好の場になることに意義があるともいえるのではないだろうか」とつづっている。

 米軍キャンプ・ハンセン内での基地従業員射殺事件を巡り「米軍の占領意識を糾弾/〝基地は諸悪の根源〟/金武、抗議・追悼集会開く/県原水協」との見出しで、金武村で開かれた抗議・追悼集会の模様を伝えている。記事では「集会では『この事件は復帰後もいぜん軍事優先、ベトナム戦と直結した県民蔑視、人命無視の戦場、占領意識から起きた非道な虐殺で罪悪の根源はすべて基地にある』ときびしく糾弾。強く基地撤去を要求する一方①犯人の即時引き渡し②遺族への完全補償を要求する日米両政府あての抗議決議を採択した」と記している。

 

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。