沖縄県与那国島北東部沖に大規模なサンゴ礁と、南部沖にサンゴ礁特有の地形「リーフトンネル」が多数存在していることが、九州大浅海底フロンティア研究センターなどの調査で5日までに分かった。サンゴの状態は良好で、研究者は「白化現象が問題となっているが、健全なサンゴ群集が保たれている」と指摘している。
サンゴ礁の存在は航空・衛星写真で確認されるのが一般的だが、与那国島周辺は浅い海が少なく、これまで小規模なサンゴ礁しか確認されていなかった。研究センターは2017年から与那国町と連携し、島周辺海域で測深調査を行って海底地図を作り、潜水調査を進めている。
調査の結果、島北東部・祖納沖の水深15~30メートルの海底に南北約500メートル、東西約4千メートルにわたる大規模なサンゴ礁を確認した。エダサンゴ、テーブルサンゴの群落が広がっているという。
島南部・比川沖のサンゴ礁外縁部に「リーフトンネル」を多数確認した。トンネルは直径最大4~5メートル、最長30~50メートル。約1千メートルの範囲に30~40本程度が存在すると想定されている。(安里周悟)
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