国連特別報告者「被害者支援が必要」 県内の調査終了


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県内の児童ポルノや児童買春について調査をしたマオド・ド・ブーア・ブキッキオさん=23日午後5時すぎ、県庁

 県内の児童ポルノや児童買春について調査している、国連の特別報告者マオド・ド・ブーア・ブキッキオさんは23日、沖縄での現地調査を終えた。沖縄での児童の性犯罪について「被害者が社会復帰するシステムが必要だ。そのためには資金も必要。貧困率が高い県でも、優先順位を正しく付ければ解決できる」と語った。24日に離沖する。

 児童養護施設などを訪問したことに触れて「性的被害を理由に入所した子どもが現時点でいないと聞いて驚いた。だが実際には性ビジネスがまん延している。性被害を受けた児童が被害を報告する制度や体制があるのか。もう少し調べたい」と、調査を継続する考えを示した。沖縄での性犯罪について「加害者にきちんと有罪判決が下される数は多くない。他の犯罪を助長する意味でも、子どもの安全を確保する意味でも良いシグナルではない」と懸念を示した。ブキッキオさんは来年3月に今回の調査に関する最終調査報告書をまとめる。