Anlyが2年ぶりにアルバム発売 沖縄戦の体験談きっかけの楽曲も「祈り受け継いでいく」


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4枚目アルバム「QUARTER」をリリースした伊江島出身のシンガー・ソングライター、Anly(エヌ・キューブ・エンタテインメント提供)

 伊江島出身のシンガー・ソングライター、Anlyが約2年ぶりに4枚目のアルバム「QUARTER(クオーター)」(ソニー・ミュージックレーベルズ)を12日に発売した。Anlyは「根底には、どのアルバムでも変わっていないが『自分自身を愛す』ということを、必ず伝えている。暗いところから始まっても希望が見えるように制作した。『明日またがんばって生きていこう』みたいな気持ちになってもらえたらうれしい」と話す。

 楽曲にはそれぞれ、誰かに対しての怒りや今の世の中に感じていることをぶつけたもの、ずっと続いてきた祈りを受け継いでいこうという気持ちを表現した。

 今回のアルバムは沖縄で制作した曲が多く、本島北部の道の駅や、北谷の防波堤に立ち寄り、歌詞を書いていたという。

「QUARTER」のジャケット

 沖縄戦の戦争体験を聞いたことがきっかけで生まれた1曲目の「Alive」は、楽曲に初めて三線を取り入れた。「血はつながっていないが、戦争を生き残り、さまざまな逆境や時代の波に耐えながらつないできた命があるからこそ、今こうやって音楽ができているんだなと心から思った」と話した。

 アルバムは計13曲収録。DVDが付いた初回生産限定盤は、自身初の全国47都道府県弾き語りツアーの最終公演後に伊江島で実施したシークレットライブの映像を収録。通常版CDは3千円、DVD付き初回限定盤は6500円。アルバムリリースツアーの沖縄公演は12月11日午後4時半から那覇市の桜坂セントラルで開催予定。

(田中芳)