那覇軍港移設、23年度以降に作業本格化 返還は最短で30年代末の見込み


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那覇軍港=2020年8月20日

 那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添移設に関わる作業は2023年度以降に本格化する。那覇港管理組合が来年3月末ごろをめどに作業を進める港湾計画の改定を受け、沖縄防衛局は環境影響評価や埋め立て承認手続きなどを進めるとみられる。

 沖縄県は代替施設完成までの見通しを「おおむね17年」と試算、移設後の那覇軍港返還は2030年代末以降が見込まれる。

 港湾計画の改定は、那覇軍港の配置場所に県などが合意する必要がある。同組合によると、軍港の配置先が決まらないと、その先にある防波堤の延長幅が決まらず、港湾計画案の作成に支障が出ることなどがある。

 組合は来年1~2月ごろに県地方港湾審議会に港湾計画案を提出し、3月に国の交通政策審議会港湾分科会に諮ることを想定。3月末の改定を目指している。県の試算で、那覇軍港移設の日米合同委員会合意後の手続きとして、環境影響評価に5年、埋め立て承認手続きに1年、建設工事に9年、移設の手続きに半年などを見込んでいる。

 県などは移設協議と並行し、隣接する民港部分(109ヘクタール)の整備を進める方針。県などは21年3月に民港形状案に合意し、那覇港港湾計画の検討を進めている。新たな港湾計画期間の10~15年内に民港部分の整備を進める方針だ。

(梅田正覚)


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