元村職員の逮捕、座間味村長「村民におわび」 再発防止へ防犯カメラ設置 容疑者へ損害賠償請求も準備


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座間味村長の宮里哲氏

 【座間味】29日、座間味村那覇出張所長だった元村職員の男(46)が、村営定期船の売上金を横領して逮捕されたことを受け、宮里哲村長は「村民や関係機関に改めておわびを申し上げるとともに、二度と同様の事例や不正が起きないよう再発防止を徹底し、村民の信頼を得られるよう努めていきたい」と述べた。

 容疑者は、那覇出張所長だった当時、現金や通帳、入金伝票などを1人で管理していた。出張所には所長を含め職員5人が勤務していたが、正職員は少なく、2019年度以降は容疑者のみが正職員だった。村は売上金の管理などはすべて所長に任せていたという。容疑者は勤務態度がまじめで他の職員からの評価は高かった。同出張所の所長職は係長級以上の役職が就任する。辞職前は主幹クラスの産業振興課長補佐だった。

 宮里村長によると、横領発覚後、容疑者から電話があり「村民に対して大変申し訳ないことをした。村長をはじめ、職員にも迷惑をかけてしまった」と深く反省していたという。

 村は事件を受け、今年3月、職員向けの公金取り扱い基本マニュアルを作成。同月、おきなわフィナンシャルグループ(OFG)と包括連携協定を結び、4月1日から1年間、村役場と那覇出張所に計2人のOFG職員が派遣され、人材交流を行っている。

 出張所内には防犯カメラを設置し、現金を使わないキャッシュレス化も実施している。村関係者は「民間企業との交流によって職員の意識も大幅に改善し、再発防止の成果が出ている」と強調した。

 一方、村は容疑者への損害賠償請求について「弁護士と相談しながら民事訴訟の準備を進めている」とした。
 (金城実倫)