キビ交付金据え置き 1万6860円、資材高騰で補助も


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2023年産のサトウキビの生産者交付金を了承した自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会=30日、都内

 【東京】政府・与党は30日、2023年産サトウキビの生産者交付金を3年連続据え置きの1トン当たり1万6860円とすることを決めた。自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会が同日了承し、農林水産省が決定した。基準糖度帯も変更はない。一方で生産資材の価格高騰で営農継続が危ぶまれる事態を考慮し、支援策の一環として1トン当たりに収穫機材などの使用に伴う費用350円、雑草など防除対策の費用100円を補助することも決めた。

 「実質的引き上げ」評価

 県さとうきび対策本部の普天間朝重本部長は「生産者交付金は据え置きとなったが、今までにない支援策により実質的には引き上げになったと感じている。一定の成果は確保できた」と受け止めた。対策本部では今回の交付金と、今月末に決まる原料代とを加えた農家の手取りについて「過去最高になるのでは」と見込んでいる。

 農水省が政府・与党に示した甘味資源作物の生産振興対策では、土づくりや優良品種への転換といった取り組みや生産基盤の整備などの項目を挙げ、2022年度の補正予算21億円で手当てすることを盛り込んだ。加えて鹿児島県も含め砂糖製造業の働き方改革の実現に向けて、省力化などの施設整備を支援するため22年度補正予算で手当てする対策も挙げた。

 また自然災害からの生産回復などを支援する「さとうきび増産基金(セーフティネット基金)」の予算を引き続き確保する。

 自民党の武部新農林部会長は「生産者が意欲をもって営農していただける結果になったと思っている」と話した。

 生産者の城辺地区さとうきび生産組合の砂川明寛組合長は「地元国会議員の後押しもあり、交付金が維持され、営農が持続可能となる補助が支援策として加わったのは成果」と評価した。
 (斎藤学)