ラグビー「沖縄を強くしたい」 元トップリーグ選手が小学生を指導 加藤さん比屋根さん「ブルズ沖縄」を創設


社会
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小学生を対象に指導するラグビークラブ「ブルズ沖縄」を立ち上げた比屋根裕樹さん(後列左)と加藤あかりさん(後列右)=うるま市の石川浄水場グラウンド

 ラグビーの日本代表、トップリーグをそれぞれ経験し現役を退いた2人が、後進の育成に立ち上がった。女子15人制ラグビー元日本代表の加藤あかりさん(30)=石川高―名桜大出=と、男子日本リーグの三菱重工相模原ダイナボアーズに所属していた比屋根裕樹さん(28)=コザ高―東海大出=だ。

 2人は帰沖後に意気投合し、昨年10月にうるま市で小学生のクラブチーム「ブルズ沖縄」を創設した。裾野を広げることで「沖縄のラグビーを強くしたい」と口をそろえ、指導者として第2の人生をスタートさせた。

 岐阜県出身の加藤さんは9歳で沖縄に移住後、中学3年時に「タグラグビー」に出会い、名桜大でラグビーに専念した。大学4年時の2014年には男女を通じて県勢初の15人制代表に選出。20年まで7人制ラグビーのクラブチーム「東京山九フェニックス」(東京)で活躍した。

 比屋根さんは中学から競技を始め、高校時代は日本代表候補にも入った。東海大で力を付け17年から4年間、リーグに挑戦した。

 沖縄は高校から競技を始めることが多い。全国との差を埋めるには「根をしっかりやっていく必要がる」と小学生の指導に当たる動機を語った。

 県内では名護市や沖縄市、読谷村、那覇市にスクール(クラブ)があり、徐々に盛り上がりを見せている。2人は県内各地を見渡し、地域の要望も聞き取って、うるま市を拠点に決めた。加藤さんは「周囲のサポートも大きかった」とクラブの発展を見据える。

 現在は6人が加入。この1年間で20人まで増やし単独チームで大会に出場することが当面の目標だ。

 比屋根さんは「互いにトップでやってきた。それを還元したいという思い」と意気込む。加藤さんは「ゆくゆくは女子チームも作りたい」と夢見る。

 父に勧められ昨年10月に加入した小学4年の児童は「楽しい。ポジションはバックスをやりたい。ワールドカップを目指したい」と目を輝かせた。問い合わせは電話080(1717)3477。

(謝花史哲)