幽霊と驚きの毎日「僕とおじいちゃんと魔法の塔」① 香月日輪著<司書の推し本>8


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「勇気がもらえるとっておきの一冊だ」と語る末吉雄貴子さん

[推しポイント]わくわく、勇気もらえる

 「面白かった!」「あっという間に読めた!」というのが、この本を読んだほとんどの人が口にする感想です。その一番の魅力は、子どもと大人を差別しない、おじいちゃんの真っすぐな言葉たち。「大人の世界もガキの世界も、人は人であるということだ」「感じれば世界は広がる!」。小学生から大人までわくわく読めて勇気をもらえる、とっておきの推し本です。

 (末吉雄貴子・県立西原高校)

[あらすじ]幽霊との驚きの毎日

 いい子って何だ?―。小学6年生の主人公・陣内龍神(たつみ)は近ごろモヤモヤしてばかり。

 そんなある日、自転車に乗って出掛けた先で、岬にそびえ立つ黒い塔を見つける。そこにいたのは、しゃべる犬と、亡くなったはずのおじいちゃん!? 美しい花々や絵画、オブジェ、そして膨大な書物にあふれた異世界の塔で、幽霊のおじいちゃんと龍神のびっくりするような毎日が始まる。


 若者の活字離れ、読書離れが指摘されて久しい。学校からは「図書館離れ」に嘆く司書の声が聞こえる。読書活動推進を目的に、新企画「司書の推し本」では、子どもたちに読んでもらいたい「推し本」を、学校図書館の司書に紹介してもらう。