首里城地下の32軍壕「第1坑道」床面確認 坑口特定へ可能性高まる 保存公開委


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委員とオンラインでつないで開かれた第32軍司令部壕保存・公開検討委員会技術検討グループの第2回会合=3日、県庁

 沖縄県は3日、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の技術検討グループの第2回会合を非公開で開いた。那覇市の首里城公園で本年度実施している、未発掘の第1坑口や第1坑道の位置を特定するためのボーリング調査で、地表から10~11メートル付近に第1坑道の床面と考えられる地層を確認したことが報告された。

 第1坑道の床面が確認されたのは、園比屋武御嶽石門近くの調査地点。この地点では、坑道内が土砂でふさがっていることも確認された。県は歓会門近くでも現在、ボーリング調査中。3月までに2カ所の地質構造などのデータを分析し、評価を行う。

 県は、第1坑道の床面の発見を受け、二つのボーリング調査地点を結んだ延長線上に第1坑口の位置を特定できる可能性が高まったとして、担当者は「調査はかなり大きな前進だ」と述べた。

 県は第1~5坑道と、それぞれの坑口の保全に必要な整備費用の算定を目指す考えも示した。委員からは「計上は妥当だ。ただし整備にあたっては坑道の状態や文化財指定の影響を十分に考慮する必要がある」との意見があったという。

 同検討委員会は10日に全体の最終会合を開き、段階的な整備・公開などを盛り込んだ知事への提言を取りまとめる。
 (中村万里子)