ホープ渡邉 3度の手術を乗り越え復帰 キングス4連勝 富山に89-65 第36戦


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ゴール下で体を張り、攻撃リバウンドを狙う渡邉飛勇=5日、沖縄市の沖縄アリーナ(長嶺真輝通信員撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部西地区3位の琉球ゴールデンキングスは5日、沖縄アリーナで富山グラウジーズ(中地区7位)と今季第36戦を行い、89―65で勝利した。4連勝となり、通算成績は27勝9敗で3位のまま。2021年の入団後、負傷で一度も公式戦のコートに立っていなかった東京五輪日本代表の渡邉飛勇がBリーグデビューを果たし、12分16秒の出場で7得点、6リバウンド、1ブロックを記録した。キングスは次節、11、12の両日に三遠ネオフェニックス(中地区4位)と静岡県の浜松アリーナで対戦する。

 3度にわたる手術と厳しいリハビリを乗り越え、ついに背番号9が公式戦のコートに降り立った。第1クオーター(Q)残り3分11秒、盛大な拍手で迎えられたのは、これがBリーグデビュー戦となった渡邉飛勇だ。

 「試合前はすごく緊張した」と言うが、出場直後に結果を出す。207センチという高さを生かし、2連続で攻撃リバウンドを奪ってゴール下のシュートを沈める。さらにフリースロー2本とミドルシュートを成功させて連続6得点を挙げ、ブロックでもアリーナを沸かせた。

 復帰に費やした時間は約1年5カ月。「早くコートに戻らないといけない。それ以外は考えなかった」と常に前だけを見詰めてリハビリに励んできた。3人の外国籍選手以外にビッグマンがいなかったキングスにとって、渡邉の存在がインサイドに厚みをもたらすことが期待される。自らも「ダンカンやクーリーとコートに立った時に力を発揮したい」と意気込む。

 まだ24歳。キングス、そして日本代表を引っ張れるだけの潜在能力を持つホープは「リバウンドとブロックでいい動きができた。今日見せた部分で貢献したい」と頼もしい。今季こそ優勝を狙うキングスにとって、重要なピースになることは間違いない。
 (長嶺真輝通信員)


キングス 27勝9敗
89―65(24―14,16―17,30―17,19―17)
富  山 7勝29敗

 【評】リバウンド数で54対32と相手を大きく上回ったことが大勝につながった。富山が負傷でインサイドの主力を2人欠く中、特にジャック・クーリーは1人で18本のリバウンドを奪取。前半は3点弾がチームで1本しか決まらなかったが、インサイドで着実に加点した。

集中力切らさず

 桶谷大HC(キングス)の話 前半はアウトサイドが入らず苦しい展開だったが、集中を切らさずゲームプランを遂行したおかげで後半は外も入りだした。渡邉が戻ってきてくれて、今後は外国籍選手3人の負担がだいぶ軽減されると思う。

フィジカルに差

 高岡大輔HC代行(富山)の話 どうしてもカバーできないサイズ、フィジカルの差をもろにくらってしまった。その中でも選手たちは折れずに戦い続けてくれたので感謝している。ターンーバーの多さという課題もクリアできた。