【識者談話】地下水汚染に重大な懸念 普天間第二小PFOS(原田浩二・京大准教授)


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原田浩二氏(京都大准教授)

 PFASに関する土壌の基準は日本にはなく、参考となるのは米国環境保護庁(EPA)が詳しい調査を要するとした目安値だ。

 県の調査でPFOSが最も高かった値は1グラム当たり6.6ナノグラム。対して、土壌からじかに摂取すると想定したEPAの目安値は130ナノグラム。県の調査結果は確かにEPAの目安値より低い。

 だが、PFASの健康被害でまず考慮しないといけないのは汚染された地下水を摂取する可能性だ。土壌が地下水を汚染すると想定したEPAの目安値は0.038ナノグラムで、県の調査結果はその173.7倍となっていることに重大な懸念がある。

 また、PFASを含む泡消火剤などの流入直後の値ではないことも注意が必要だ。過去の流入から時間がたった現在でこれだけ高い値が出たということは、流入した直後はもっと高い値であったと考えられる。

 EPAはPFASの規制を強化している。水道水は極めて厳しくなった一方、土壌はまだ見直されていない。今後、土壌の規制も厳しくなる可能性があることを踏まえた対策が必要だ。
 (環境衛生学)