沖縄県産麦の製粉所が完成 ブランド小麦粉「島麦かなさん」の生産拡大へ 沖縄・うるま


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ブランド小麦「島麦かなさん」を製造する製粉所を開所させた県麦生産組合の稲福信吉会長(下段右から2人目)ら=20日、うるま市

 【うるま】無農薬、無化学肥料で栽培したブランド小麦粉「島麦かなさん」を生産する沖縄県麦生産組合(稲福信吉会長)が、組合独自の製粉所をうるま市石川伊波に完成させた。これまで年間5トンの生産量を3年後に10トン、5年後には20トンに拡大することを目指す。

 20日の開所式で稲福会長は「組合ができて8期目になる。発展、飛躍の大転換期にしたい」と意気込んだ。「島麦かなさん」は全て県産麦を使用して製造している。組合の収穫量のうち約85%は、伊計島や津堅島などうるま市内の麦を使っている。

 これまで手作業で1時間かかって20キロの麦を選別していたが、最新の機械を導入して1時間1トンに拡大する。選別後に外注していた製粉加工を内製化し、製粉の機能も格段に向上する。

 製粉所は他事業者の施設を借り受け、機械類のほか倉庫や乾燥機、保冷庫などを設置した。総事業費は約2400万円で、約8割を市が一括交付金から補助している。

 市前原の農水産直売所うるマルシェで、「島麦かなさん」の小麦粉のほか、食パンなどさまざまな商品も販売している。
(古川峻)