底質から汚染物質 キンザー周辺、基準下回る


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 【浦添】浦添市は牧港補給地区(キャンプ・キンザー)周辺の海や川など7カ所で採取した底質と牧港海岸で採取した貝についてポリ塩化ビフェニール(PCB)と農薬DDTの含有調査をした結果を10日、発表した。いずれも不検出か、環境基準値を下回った。

市は「人体への影響はないという専門家の見解を得ている」と話している。一方で汚染源の特定はされておらず環境団体からは「約40年前に製造禁止となった農薬がなぜここで検出されるのか、検証が必要ではないか」と指摘している。
 今回の調査は9月上旬にキンザー周辺で捕獲されたハブから、PCBやDDTが高濃度に検出されたという大学研究者の発表を受け、市が独自に底質、貝類を採取し実施した。
 底質はキンザーの西海岸3カ所、城間、港川、勢理客周辺の川底3カ所と、牧港緑地の土壌1カ所の計7カ所から採取した。貝は港川の北側海岸でクモガイという巻き貝の1種を調べた。
 その結果、貝はPCB、DDTともに不検出だった。底質はDDT類が7カ所中3カ所で検出され、最も高かった所で港川の1キロ当たり42マイクログラム、キンザーの西海岸3カ所のうち南側で20マイクログラム、城間で6マイクログラムだった。いずれも基準値の50マイクログラムを下回った。PCBは牧港緑地と城間以外の5カ所から検出され、基準値が1キロ当たり10ミリグラムのところ、キンザーの西海岸の南側で0・15ミリグラムと最も高く、他は0・007~0・055だった。