沖縄県の危機管理補佐官に「自衛官OBを」 山根西部方面総監の提案に玉城知事は


この記事を書いた人 琉球新報社
玉城デニー知事(右)に西部方面総監就任を報告する山根寿一陸将=19日、県庁

 九州・沖縄の陸上自衛隊を担当する西部方面総監に3月30日付で就いた山根寿一陸将が19日、着任あいさつのため県庁で玉城デニー知事と面会した。山根氏は、県が検討している危機管理補佐官の採用について自衛官OBを候補に入れることを提案し、自衛官募集について県などの協力を求めた。

 これに対し玉城知事は、危機管理補佐官は民間から公募を検討していると説明。自衛官確保については「いろんな形で協力したい」とした。

 玉城知事は3月の陸上自衛隊石垣駐屯地開設や与那国駐屯地への地対空ミサイル配備計画について「県民は新たな抑止力についての不安を強く抱かざるを得ない」と懸念を伝え、情報提供や意思疎通を要望した。

 山根氏は「抑止力を高めることに際して、地元のご理解は大前提だ」とした。災害対応の観点からも自衛隊の役割の重要性を語った。

 山根氏は4月に宮古島市沖で発生した陸自ヘリコプター事故について、県民に心配をかけたとして「心からおわびを申し上げたい」と話し、事故対応などで下地島空港をの使用など県の協力に謝意を伝えた。

 玉城知事は死亡が確認された6人の冥福を祈った上で、航空機事故は「県民に対しても大きな不安を広げる」とし、原因究明と整備点検の徹底を求めた。
 (知念征尚)