キングスのエース・今村佳太が勝負どころで躍動し、チームを優勝に導いた。「去年はファイナルまで進みながら、本当に悔しい思いをした。あの光景を忘れたことはない」。開幕前、CSへの思いをそう語っていた今村にとって、決勝の舞台は「優勝という忘れ物を取りにいく」場所に他ならなかった。
昨季、準優勝で終わった悔しさをバネに、今回のCSでは負けしらずの快進撃を続けた。再延長までもつれる熱戦となった決勝第1戦では、勝敗を左右するシュートを決めるなど、随所で存在感を示した。
史上最強と言われた千葉ジェッツを破って達成した初の日本一。「“我慢”という言葉を使い続けてここまでやってきた。言葉にならない」と語った試合後の顔は涙もなく、晴れやかな表情だった。
(和田清首都圏通信員)