米軍刑法犯、過半数が沖縄 道交法違反は72% 基地負担の偏り鮮明 政府答弁書で判明


この記事を書いた人 琉球新報社

 【東京】政府は30日、2022年度に国内で発生した米軍人・軍属、その家族による刑法犯で摘発された件数が106件あり、そのうち約50.9%に当たる54件が沖縄県内だったとする答弁書を閣議決定した。道交法違反事件は全国で73件発生し、うち72.6%となる53件が沖縄県内での摘発だった。基地負担に偏りがある現状が改めて浮き彫りとなった。高良鉄美参院議員(沖縄の風)の質問主意書に答えた。

 県内の刑法犯事件54件の内訳は、詐欺や横領などの「知能犯」が15件、万引きや空き巣などの「窃盗犯」が14件、傷害や暴行などの「粗暴犯」が9件などだった。

 県内での道路交通法違反事件53件の内訳は酒酔い運転3件、酒気帯び運転48件などだった。人の死傷を伴う交通事故は全国で22件で、うち10件(45.5%)が沖縄県警の摘発だった。

 特別法犯は全国で44件、うち18件(40.9%)は沖縄県警が摘発した。

2016年の米軍属による女性暴行殺害事件を受けて国が始めた「沖縄・地域安全パトロール隊」(通称・青パト)事業。米軍関係者による事件の抑止につながっているか費用対効果も指摘される

 高良氏は質問主意書で、軍人の深夜外出や飲酒を規制する「リバティー制度」が緩和されたことで「事件や事故が増加しているとの意見がある」と指摘した。米軍に規制強化を求めているかなどを尋ねたが、政府は答弁書で「やりとりの詳細については米側との関係もあり、答弁を控えたいが、事件事故の防止に向けて米側と取り組んでいきたい」とした。
 (明真南斗)