詐欺の疑いで那覇市議会前議長に告訴状 不動産コンサル代表「現金だまし取られた」市有地巡り5000万円受け渡し


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那覇署

 那覇市有地の所有権を巡り、不動産コンサルタント会社代表の男性らから同市議会前議長の久高友弘氏らに議長室で現金5千万円の受け渡しがあった問題で、男性らは6日までに、久高氏と所有権回復を同氏に委任した70代女性に現金をだまし取られたとして、詐欺容疑の告訴状を那覇署に提出した。

 告訴状などでは、市有地の取りまとめを装って欺き、融資金5千万円を交付させられたとしている。久高氏らも刑法上の対抗手段を講じる考えで、市有地の所有権などを巡り双方の主張が食い違い、問題は混迷を深めている。

 那覇署は告訴相談を受けたとし、6日時点で受理には至っていないという。

 告訴状などによると、男性らは久高氏が議会で所有権回復の活動をすることに期待して、5千万円を交付した。所有権回復後の土地売買などで、女性から取りまとめを委任された久高氏らを信頼して融資したとしている。

 現金の工面について男性は県外の知人から融資を受けた。男性や久高氏、女性から現金の返還がないため、この知人が那覇簡易裁判所に貸金返還に関わる調停を申し立てた。市有地の取りまとめが進まず、融資金も返還されず、音信も途絶えたため、知人は調停で解決を図ろうとしたとしている。

 調停では融資金は5500万円に上ったとされた。5百万円については、男性が土地関係書類一式を知人に譲渡する代わりに債権を放棄し、男性と知人の間で調停が成立した。久高氏と女性は調停を欠席した。男性は調停を欠席し「無視するのは最初からだます考えだった」として、久高氏らを相手に告訴状を那覇署へ提出した。

 告訴状の提出を受け、久高氏と女性は対抗する考えで「当初からだますつもりは毛頭ない。(男性は)無断で関係書類を持ち去った。近く詐欺などの疑いで告訴する方針だ」と反論した。