辺野古投下ブロック、全て15トン以下に変更 防衛局「県との事前協議不要」


この記事を書いた人 志良堂 仁
辺野古沿岸部に22日に新たに派遣された作業船。汚濁防止膜を固定する目的で海中に投下する予定のコンクリートブロックを積んでいる=25日、名護市の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部

 名護市辺野古の新基地建設工事で、沖縄防衛局が汚濁防止膜を固定するために近く海中に投下する大型コンクリートブロックが、全て15トン以下に変更されたことが分かった。防衛局が昨年8月に前知事から岩礁破砕許可を得た後に作成した工事の仕様書では、投下するブロック236個のうち8割に当たる188個が、岩礁破砕許可申請時に同局が図示した約15トンの3~4倍の重量に上ることを示していた。これを受け県はブロックの規模が許可申請内容と大きく異なると指摘し、投下前の事前協議を求めていた。ブロックが全て15トン以下になることで防衛局は25日、琉球新報に「事前協議は必要ない」とし、そのまま投下できるとの認識を示した。ブロックが全て15トン以下になった理由は「波高、潮流、水深などの技術面での条件に基づき検討し、全て15トン以下になった」と説明した。

 7月に明らかになった工事の仕様書では、防衛局が汚濁防止膜の固定を目的に海中に投下するブロック236個のうち、岩礁破砕許可申請で示した約15トンを下回るものは48個。全体の約半数に上る102個は15トンの約4倍となる57トン、残り86個も約3倍となる44トンに上ると記載されていた。
 岩礁破砕許可で申請したブロックの重量について防衛局は25日「寸法はあくまで施工例の一つとして示した」と回答。その上で「アンカー(重し)の寸法は許可を得た岩礁破砕許可申請書に則している」として、ブロック投下に際して県との事前協議は必要ないとした。
 一方、県は25日、防衛局が22日にコンクリートブロックを積んだ作業船を現場海域に搬入したことを受けて(1)ブロックの使用目的(2)寸法、重量、個数(3)設置位置図と座標(4)岩礁破砕許可申請書との整合性-などの情報を求める照会文を防衛局に発送した。
 県の許可範囲を超えて海底地形を改変する可能性がないか精査するためで、県は文書でこれらの情報の確認ができるまでの間、ブロックを投下しないよう防衛局に併せて求めた。
 防衛局は投下の時期については「作業を安全に実施できないなど事業の適正な遂行に支障が生じる可能性があるため回答を控える」としている。(島袋良太)