県内家賃 全種で上昇 おきぎん経済研


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 おきぎん経済研究所(出村郁雄社長)は26日、県内賃貸物件の2015年賃料動向調査を発表した。住宅の平均賃料は、新築、中古物件ともに全ての部屋数タイプで前年と比べて0・2~1・9%上昇した。

建築費の高騰や、設備が充実した築年数の浅い物件の増加などが家賃設定に反映された格好となった。同研究所は、賃料相場の高い市街地開発地区に人気が集中していることも賃料押し上げの要因と分析している。地区別では那覇市の新都心地区が最も高い水準となった。
 新築の「3K~3LDK」の平均賃料が7万7400円と最も高く、中古の「1ルーム~1LDK」は4万4200円だった。上昇幅が大きかったのは中古の「2K~2LDK」で、前年より約千円(1・9%)増の5万4800円だった。
 エアコンやインターネット接続などの設備追加や改修工事による賃料上昇のケースも見られ、同研究所は「安さよりも設備面を重視する入居者が地域を問わず増えている」と指摘した。
 店舗・事務所の1坪当たりの平均賃料は前年比0・3%増の6320円だった。地区別では那覇市新都心地区の9300円が最高で、久茂地などの那覇市西部が7400円と続いた。
 賃貸物件の入居率を地域別に見ると、石垣市が99・7%と最も高かった。前年から引き続き、尖閣諸島への対応で増員された海上保安庁職員による借り上げ需要で高止まっている。那覇市(新都心)の97・3%、宮古島市の93・1%と続いた。一方、入居率が最も低かったのは前年と同様に「沖縄市と近隣町村」で82・4%だった。人口・世帯数は伸びているものの、新築物件数も増加して入居率を引き下げた。
 14年度の新設住宅着工戸数は1万5022戸で、このうち貸家が69・1%の1万381戸を占めた。貸家の新設戸数は対前年比で11・4%減少したものの、全国の貸家割合の40・7%と比べ依然として沖縄は高水準で推移している。
 調査は毎年実施し、今回で18回目。対象は県内の不動産会社17社23店舗で、管理戸数は5万6043戸(県全体の24・2%)。賃料は共益費や駐車場代などは除く。9~10月に文献調査、10~11月にヒアリング調査を実施した。