骨折ハヤブサ空へ 喜如嘉小児童が治療


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右翼の骨折が回復し、児童らが見守る中で放鳥されるハヤブサ=27日、大宜味村立喜如嘉小学校

 【大宜味】大宜味村立喜如嘉小学校近くの畑で右の翼を骨折し、自由に動けず衰弱しているところを保護された国内希少野生動植物種ハヤブサの雌(亜成鳥)が1カ月余の治療で回復し、保護に関わった児童らが見守る中で27日、同校運動場で放鳥された。

 治療した動物病院によると、翼を骨折した野鳥が順調に回復して放鳥できる割合は1~2割という。だが、毎日の野鳥観察を27年間継続している同校児童らによる早期保護や、餌やりなど適切な初期対応が功を奏した。
 ハヤブサは10月16日午後8時ごろに地域住民の男性が畑で発見し、同校6年の平良日菜多さん(12)宅で3日間、他の児童も一緒に世話をした。同19日に環境省やんばる野生生物保護センター(国頭村)を通しヤンバル動物診療所(名護市)へ搬送し、骨折した翼を段ボールで固定し「外副子固定」の処置をした。
 同診療所の獣医・畑大二郎さん(41)は「かなり衰弱していた。遅ければ命を落としていたかも」と明かし、飛び立つ姿に「左右のバランスや羽ばたき方も大丈夫だと思う」とほっとした様子だった。平良さんは「けがも治って元気そう」と笑顔を見せた。