非正規の産休取得少なく 県内自治体公務員、正職員の1割未満 過去5年


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 県内の自治体で働く公務員の非正規職員(臨時職員、一般職非常勤、特別職非常勤)の女性は正規職員の約2倍と多いにもかかわらず、過去5年間で産休を取得した非正規職員は正規職員の10分の1に満たない実態であることが、琉球新報の自治体アンケートで28日までに分かった。育休取得でも非正規職員は正規職員の約35分の1にとどまっている。非正規職員の産休、育休取得者が少ない背景には、休暇制度が未整備な自治体が多いことに加え、あったとしても無給休暇がほとんどで、多くが利用せずに退職を余儀なくされる実態がある。

 任期が短い臨時職員が休暇制度を必要としていないという側面もある。総務省は昨年7月、産休、育休を含む各種休暇制度を整備していない自治体が多いとして、全国の自治体に早急な対応を求める通知を出している。
 過去5年間で産休を取得した非正規職員は115人だったのに対し、正規職員は1330人だった。育休取得は非正規職員が41人に対し、正規職員が1427人。那覇市を除く市町村の女性職員数は非正規職員が7287人で、正規職員3715人の約2倍。
 非正規職員に対する休暇制度は、臨時、一般職非常勤、特別職非常勤の任用形態によってばらつきがある。名護市、今帰仁村、恩納村、伊江村、読谷村、南風原町、北大東村、多良間村、竹富町、与那国町の10市町村は、いずれの任用形態でも産休、育休制度が未整備だった。
 正規職員の産休は全自治体で制度があり、41市町村と県が有給で付与している。非正規職員に対して産休を有給で付与しているのは県(臨時)と石垣市(同)、大宜味村(同)、東村(同)、渡嘉敷村(同)、座間味村(一般職非常勤)、粟国村(同)の6市村のみ。
 正規職員の育休は久米島町と恩納村以外の自治体で制度があり、県と14市町村が有給で付与している。非正規職員に育休を有給で付与しているのは大宜味村(臨時)、渡嘉敷村(同)、座間味村(一般職非常勤)、粟国村(同)の4村だけだった。
 那覇市を除く県と40市町村の職員数は正規職員が計1万4086人、非正規職員が計1万1344人。女性の割合は正規職員が33・9%、非正規職員が71・6%。
 アンケートは17~20日に県と41市町村に送り、27日までに全自治体から回答を得た。県はデータがないとして、非正規職員の産休、育休取得者数は無回答。那覇市は男女別の職員データがないとして、職員数は全体数のみ回答した。(稲福政俊)