“やえせの桜”復活へ 南部農林高生 まつり向け育成作業


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 【豊見城・八重瀬】県立南部農林高校(知名幸一校長)は18日、八重瀬町と協力し、桜の苗木を育て、八重瀬公園に植樹する「“やえせの桜”桜の復興プロジェクト2015」に取り組んだ。今回植え付けた苗木は300本余り。2017年2月の「やえせ桜まつり」に向けて生徒が1年ほどかけて育て、八重瀬公園に植樹する。

八重瀬町の桜を増やそうと、苗木づくりに取り組む南部農林高校環境創造科の生徒たち=18日、豊見城市の南部農林高校

 八重瀬町在住の宮城勝さんからカンヒザクラの提供を受け、環境創造科の生徒20人が接ぎ木、挿し木の作業に汗を流した。県農林水産部の玉城雅範研究員が作業の指導をした。
 接ぎ木は、種を植え付けて2、3年育てた木(台木)と提供された木から切り取った5センチほどの枝(穂木)を接合し、110本を作った。挿し木は、提供された木から10センチほどの枝を移植し、300本ほど植え込んだ。1本の桜の木から切り分けた苗木を育てることで、同時期の開花が期待できるという。
 玉城さんは「接ぎ木の方が成長が早く、管理しやすい。挿し木は大量に苗を作れるが、成長が遅い」と説明した。
 全盛期は約900本あった八重瀬公園の桜は現在、約400本ほどに減少し、開花時期や色合いもばらばらの状態という。八重瀬町役場の仲座幸太郎さんは「開花を一致させて統一感を出し、盛り上げたい」と期待を込める。
 植え付み作業に取り組んだ長田斗夢君(18)=八重瀬町=は「将来、この桜が満開の花を咲かせてくれるのが楽しみ。多くの人に喜んでもらえるとうれしい」と人一倍の思いを込めた。