琉球新報連載「自己決定権で提起」 早稲田ジャーナリズム大賞贈呈式


この記事を書いた人 田盛 良一
第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞し、鎌田薫早稲田大学総長(左)から賞状を贈られる琉球新報社の新垣毅編集委員=10日、新宿区のリーガロイヤルホテル東京

 【東京】第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞(早稲田大学主催)の贈呈式が10日、新宿区であり、公共奉仕部門で大賞となった「沖縄の自己決定権を問う一連のキャンペーン報道~連載『道標(しるべ)求めて』を中心に~」を担当した琉球新報社の新垣毅編集委員に、鎌田薫総長から賞状と副賞の記念メダルなどが贈られた。

 贈呈式で鎌田総長は「誰もがいつでも発信できる時代にあって、本賞によって本来のジャーナリズムの姿を示すことができてうれしい」とあいさつした。
 講評で選考委員の鎌田慧さん(ルポライター)は「沖縄は差別や虐げられてきた歴史を持つが、被害感情ではなく自己決定権、自決権を琉球王国の歴史にさかのぼって論を提起した」と評価した。
 新垣編集委員は「琉球処分以降、沖縄は沖縄戦で捨て石にされ、戦後は米施政権下に差し出された。沖縄を道具扱いするのはもうやめて、と主張したい。沖縄への植民地主義と決別し、国民全てが『自己決定権』の声を上げることが日本自身のためにもなる。琉球新報に受け継がれた『紙ハブ精神』を受け継ぎ頑張る」と述べた。
 このほか草の根民主主義部門大賞に堀川惠子氏の著作「原爆供養塔~忘れられた遺骨の70年~」、文化貢献部門大賞に朴裕河(パクユハ)氏の著作「帝国の慰安婦~植民地支配と記憶の闘い~」が選ばれた。
英文へ→Ryukyu Shimpo wins Ishibashi Tanzan Memorial Journalism Award