中国識者「沖縄の役割、大きい」 北京で日中交流議論


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活発に意見交換する沖縄、中国の識者ら=14日、中国・北京市の北京師範大学

 【北京で新垣毅】沖縄の政治家や識者、記者を招き、中国の識者らと沖縄の現状や日中交流に果たす役割などをテーマにした「琉球フォーラム」(北京師範大主催)が14日、中国・北京の同大学で開かれた。「歴史と現実における琉球問題」と題して基調講演した劉江永清華大教授は「安倍政権は尖閣問題や中国脅威論を利用して日米安保条約を改定した。来年の参院選にも利用するだろう」との認識を示した。その上で、日中交流の重要性を指摘し、東アジアの平和を志向する「沖縄の自己決定権」を「私らは尊重し、支持する」と強調した。

 中国の歴史学や国際法、国際関係の専門家らが発言し、アジアの平和を築く上で「沖縄の果たす役割は大きい」として経済や文化、教育の交流推進を訴えた。政治外交や国際法などの見地から尖閣諸島問題の火種を消していく日中間の一層の努力も提起した。沖縄側から3人、中国側から22人が参加した。
 沖縄から基調講演した糸数慶子参院議員は「沖縄の人々は日本が軍事国家になることに『ノー』を叫んでいる。沖縄は世界に貢献する外交をしていきたい」と述べた。
 沖縄国際大の友知政樹教授は米軍や自衛隊の基地が撤去された場合の経済効果の試算を発表。基地は撤去されるべきだと強調した。
 琉球新報社の新垣毅編集委員は「平和や命を大切にするアイデンティティーを持つ沖縄の人々にはアジアの交流の場になる資格がある」とし、日中韓首脳会談の沖縄開催を提起した。
英文へ→Okinawa’s potential to fulfill large role in Sino-Japanese relations discussed