米須興文さん死去 琉大名誉教授、詩人イェイツ研究 84歳


社会
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米須興文さん

 アイルランドを代表する詩人イェイツの研究で国際的に知られる英文学者で琉球大学名誉教授の米須興文(こめす・おきふみ)さんが17日午後8時40分、呼吸不全のため西原町の病院で死去した。84歳。中城村出身。告別式は19日午後4時半から5時半、那覇市銘苅3の22、サンレー那覇北紫雲閣で。喪主は妻登美子(とみこ)さん。

 米ミシガン州立大学で博士号を取得。日米英で学術書、論文を多数発表し、英和辞典の編集にも携わった。1994年の琉球アイルランド友好協会の初代会長も務めた。アイルランド研究の視点から沖縄の文化やアイデンティティーを鋭く論じ、一般向け著書も、エッセー集「レダの末裔」(ひるぎ社)「アイルランド断章」(同)など多数ある。2013年に半生を振り返りつつ沖縄の文学、文化を批評した「ベン・ブルベンの丘をめざして」(Mugen)を出版した。
 作家の大城立裕さん(90)は「(普天間高校の前身の)野嵩高校で文学を担当した時の教え子でもあるが、飛び切りの秀才だった。彼が文学の専門家になってからも随分教えられた。『日本文壇だけを相手にせず、世界文学を目指せ。神話的な世界を書け』とよく言われた」と話し、米須氏の死去を悼んだ。