「昼食困窮」3割実感 高校生の貧困、教員認識


この記事を書いた人 志良堂 仁

 県立高校の教職員の28・9%が昼食や昼食代を持参できない生徒がいると実感し、68・5%が教材費などの校納金が払えない生徒がいると捉えていることが、琉球新報と県高等学校障害児学校教職員組合(高教組)が合同で実施したアンケートで23日分かった。家庭の経済状況の厳しさを背景に、家計を助けるためにアルバイトをしている学生が「いる」と答えた教職員は77・7%に上った。家庭の経済力が学力に影響するとした回答は9割を超え、生活基盤が揺らぎ、最低限の学ぶ環境すら保障されていない生徒がいる「子どもの貧困」の実態が浮き彫りになった。

 高教組は「学校だけの生徒支援には限界がある。学校が外部の就労・相談支援機関や専門家と連携するような体制が求められる」と対策の必要性を強調した。
 「教職員から見た生徒の経済状況アンケート」は11月19日から12月にかけて、特別支援学校高等部を含む県立の全81高校(定時制、通信制、分校を1校と計算)の教職員約4800人を対象に実施し、計58校・930人(回収率19・4%)の教職員から回答があった。高教組は2010年に同様のアンケートを行っており(回答数437人、特別支援学校を含まない)、その結果と比較、分析した。
 昼食・昼食代を持参できない生徒が「いる」と答えた教職員は28・9%で(特支を除く)、5年前(17・8%)から11・1ポイント増加。校納金を払えない生徒が「いる」と答えたのは特支を含め68・5%で、前回(61・3%)から増えた一方、「いない」が前回(28・1%)から半減した。
 家計を助けるためにアルバイトをしている生徒の割合を学校間で比べると、1クラスに5~10%(40人クラスで2~4人)いるとの回答が34校中9校で最多。25~30%(同10~12人)が全日制6校、定時制で1校あった。全日制で30~40%(同12~16人)が3校あった。
 「家庭の経済状況が厳しい生徒が、ここ5年で増えていると感じるか」との質問に、回答者の75・4%が「感じる」と答えた。
 厳しい経済状況の生徒への支援窓口を「知らない」とした教職員は5割を超えた。「経済的理由で進学を断念する生徒が5年で増えたと感じる」としたのは6割を超えた(特支を除く)。
 自由記述では「バス代がないから学校をやめる生徒もいる」「アルバイト疲れで学習に身が入らない」などとつづられている。
英文へ→30% of high school teachers notice students financially in trouble