暑い冬、野菜は安く 豊作も鍋食材の需要減


この記事を書いた人 志良堂 仁
暖冬で安値が続く県産野菜などを見て回る消費者ら=5日夕、那覇市おもろまちのスーパー

 暖冬の影響などで、レタスや大根など冬場の主力商品となる葉野菜の価格が下落している。自然災害の影響が少なく、冬春期野菜が豊作傾向である一方、暖冬で鍋料理などの需要が鈍っている。冬春期野菜の代表である県産レタスの卸売価格は昨年から約150円安、店頭価格も1~2割ほど安くなっている。

 沖縄協同青果によると、大みそかから5日までの県産野菜の取扱量は前年同期比6・8%増の188トンだったが、平均単価は8・6%減の200円に落ち込んだ。
 12月から4月に最盛期を迎える県産レタスの取扱量は14・2%増の40トンだが、1キロ当たりの平均単価は59・2%減の103円に値下がりした。冬場に需要が増える県外産大根も単価が59・7%減の35円と下落した。
 那覇市内のスーパーでキャベツ半玉を購入した50代の女性=同市=は「最近はトマトも安くなって家計が助かる。この冬は暑くて、まだ1度しか鍋料理をしていない」と笑顔で話した。
 県内の小売業者からは「安値で葉物野菜もよく出るが、単価安で売り上げは前年とあまり変わらない」などの声が上がっている。(上江洲真梨子)