伊良部新小中、開校延期も 地主が仮契約後に土地売却


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤

 【伊良部島=宮古島】宮古島市教育委員会が伊良部前里添出原川に整備予定の小中一貫校について、2019年4月の開校時期が遅れる可能性が出てきた。予定地面積約4万8千平方メートルのうち約7割を所有する地主が、昨年12月の市との仮契約後、土地を県外企業に売却したことが判明したためだ。市教委は16日に予定していた基本設計の入札を急きょ延期するなど手続きを停止。25日にも開く教育委員会議で協議する方針で、候補地の変更もあり得るとしている。

 土地を取得した業者から12日に市へ文書が届き、発覚した。市によると今月5日に条件付きで所有権の移転が行われているという。
 複数の関係者によると、業者は市に対し(1)一貫校建設予定地と、伊良部島の渡口の浜に隣接する市有地の交換(2)通り池に近い下地島の市有地の売却-の2点を要望している。
 だが、市関係者は「土地転がしのようなことに応じれば、悪い前例をつくる。土地交換は常識では考えられない」とし否定的だ。一貫校開設計画に変更はないが、予定地や開校時期を変更する可能性もある。
 市はこれまでに約300万円かけてボーリング調査を行ったほか、既に契約した土地の造成設計を止めた。3月議会に提案予定だった用地購入費の取り扱いも流動的になっている。
 小中一貫校は島内の2小学・2中学を統合するもので、「伊良部島小学校・中学校」、愛称は「結の橋学園」。
 当初17年4月の開校を目指していたが用地選定で遅れが生じ、19年度開校に向け作業を進めていた。