「二見あかカラシナ」生産組合発足 ブランド化へ始動 名護


社会
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地域ブランド化を目指し、「二見あかカラシナ」をPRする生産者ら=11日、名護市の「わんさか大浦パーク」

 【名護】名護市二見地区で古くから親しまれていた在来野菜「赤からし菜」を、地域ブランドとして発信する取り組みが本格的に動き始めた。第1弾のイベントとして、同市の特産物などを取り扱う交流拠点施設「わんさか大浦パーク」で11日、「二見あかカラシナ」試食販売キャンペーンがあった。生産者らが市内外の客に味の特徴や食材としての活用方法などを説明しながら、ブランド化による安定出荷や販路開拓に意欲を見せた。

 二見集落の赤からし菜は100年以上前から、地域で守り育てられてきた。これを広くPRし、農業の発展と地域の活性化を図っていこうと、ことし1月に二見あかカラシナ生産組合(比嘉晴(はるお)組合長)が結成された。
 組合員は現在7人。結成直後から市場販売を行っているが、より広い周知を目指し、試食販売イベントを実施した。
 試食コーナーでは「二見あかカラシナおにぎり」やチキナー(漬菜)料理が振る舞われ、販売コーナーでは二見あかカラシナが飛ぶように売れていた。
 同生産組合の比嘉組合長(65)は「ブランド化するために品種をより純粋化したい。栽培面積の増加と販売の拡大が今後の課題となる」と話し、事務局長の宜寿次聰さん(59)は「葉が赤みがかっていることと辛みがあってピリピリ感が強い」ことを二見あかカラシナの特徴とし、他食材との差別化に自信を見せた。
 二見あかカラシナは同区の比嘉松繁さん(81)、君枝さん(77)夫妻が祖母から大切に引き継いできた。松繁さんは「今後みんなが大事に育ててくれたらうれしい」と話した。
 同生産組合では今後、地域ブランド化に向けて成分検査や商標登録などを行い、同市屋我地島の屋我地マース(塩)と共同した商品開発(6次産業化)に取り組んでいくという。
 また安定的な生産とともに、二見あかカラシナを使った新たなレシピ作りも並行して進めている。
(嶺井政康通信員)