沖縄戦収骨42年で幕 金光教、国事業実施に期待


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摩文仁の海岸に近い崖下で遺骨収集作業をする参加者ら=20日、糸満市摩文仁

 【糸満】毎年この時期に糸満市や八重瀬町などで戦没者の遺骨収集を行っている第43回金光教沖縄遺骨収集奉仕活動が20日、糸満市摩文仁で行われ、県内外から約160人が参加した。21日も引き続き遺骨収集と慰霊祭を行うが、窓口となっている金光教那覇教会の林雅信教会長(76)は「大掛かりな収集作業は今回が最後になると思う」と語り、今回を最後に42年続けてきた活動に一区切りつける意向を示した。

 この日の探索地域は国立沖縄戦没者墓苑裏手の海岸に続く崖下周辺で、前日までにスタッフらがロープや縄ばしご、足場などを準備した。
 県内をはじめ北海道から九州まで各地から来た参加者らが七つのグループに分かれて作業し、小さな骨が見つかった。
 昨年に続き東京から2度目の参加となった竹内勇希さん(20)は「平和な世界を祈って、この地で亡くなった方が少しでもちゃんと成仏してもらえたらという思いだ」と語った。
 林さんが遺骨収集に関わるようになったのは、1970年代に県外の遺族会の人たちが遺骨収集に来ているというニュースを見たのがきっかけ。74年に初めて真壁の遺骨収集に参加したところ、遺骨がそのままの状態で眠っている状況を目の当たりにした。
 林さんは「教会関係者らで活動を始め、声を掛けて一般の人も多く参加するようになった。気持ちの上では南部一帯をこれまで歩かせてもらったという思いです」と述べた。
 国が遺骨収集事業を主催して実施するという話に期待し「その際はまた奉仕に参加したい」と話している。