沖縄戦で被害を受けた民間人や遺族ら79人が国に謝罪と損害賠償を求めた「沖縄戦被害国家賠償訴訟」の判決が16日、那覇地裁(鈴木博裁判長)で言い渡された。鈴木裁判長は原告の訴えを全て棄却した。原告の全面敗訴となった。
日本軍の戦闘行為などによる多大な被害が「不法行為」に当たるとする原告の主張に、国家賠償法施行前だったため損害賠償責任を負わないとする「国家無答責の法理」を適用させるなどして退けた。
民間戦争被害者への補償立法を放置してきたとする主張には「立法府に広範な裁量が認められている。一般民間戦争被害者に対して補償がされていないことは不合理な差別とまでは認められない」として、国の責任を否定した。
判決後、瑞慶山茂弁護団長は「国の主張を引き写したような1晩2晩で書ける内容で歴史的な悪判決だ」と述べた。
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