
レキオ・パワー・テクノロジー(那覇市、河村哲社長)はこのほど、低価格帯の超音波画像診断装置(エコー)「US―304」を開発し、ケニア向けに50台を初出荷した。胎児や腹部の臓器の様子を視認できる必要最低限の性能に絞り込み、同種製品に比べて10分の1程度の1500ドルという価格と消費電力1・8ワットの低電力化を追求。医療設備が不十分なアフリカや中南米の発展途上地域で製品の海外展開を図っていく。
US―304は腹部に当てて超音波探知する探触子(プローブ)で、ノートパソコンやタブレット端末にUSBで接続し、パソコンディスプレーにエコー画像を表示する。パソコンのバッテリーから電気をとって駆動するため、停電時や不安定な電力事情の地域でも使用できるのが特徴だ。
24日に那覇市の沖縄公庫本店で会見した河村社長は「一定の価格以下を実現できれば、医療の届いていないエリアにも一気に機器が広がる」と市場の可能性を指摘。「途上国の妊産婦の死亡率を下げられるといい。現地の助産師に画像の見方を教えるなど教育も進める。パソコンでネットにつながるので、遠隔地診断などサービスのプラットホームも整備していく」と途上国の医療サービス向上への貢献に意欲を見せた。
生産は県外の工場に外注する。同社は国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業としてスーダンでの展開も進めている。