第3水曜「手話推進の日」 言語条例案、28日県議会に提出


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 手話を言語として認識し普及を目指す、県手話言語条例案が28日、県議会に提出される。県に手話普及に向けた施策と計画の策定を求め、県民理解を深めるため毎月第3水曜日を「手話推進の日」とする、などとしている。県議会の超党派議員17人でつくる「手話言語条例検討委員会」(呉屋宏委員長)で検討されてきた。28日の県議会では、初めて手話通訳者が議場内から通訳する。

 県議会事務局によると、これまでも傍聴席で手話通訳を行うことはあったが、通訳者が議場内に入るのは初めて。多くの聴覚障がい者の傍聴が予想されることから、25日の議会運営委員会で決まった。
 条例案は、県、県民、ろう者、学校―などの項目をつくり、それぞれ手話普及に向けた取り組みを促している。県に対しては「市町村と連携し、手話を学ぶ機会の提供や手話通訳の養成、手話の普及に関する施策の推進に努める」などとする。知事の諮問に応じて調査審議をする、ろう者や学識経験者らによる「県手話施策推進協議会」を置くことも求めている。条例案は県議会で可決される見通しで、4月から施行される。
 検討会はこれまで、すでに同様の条例を施行している他県の視察や県内の当事者団体と意見交換し、条例の素案をまとめた。パブリックコメント(意見公募)も実施した。当事者団体からは手話以外のコミュニケーション手段にも触れるべきだという意見が挙がっていたが、検討会は条例制定後に追加改正が可能なことから、まずは手話に限定した条例とすることとした。