
宜野座村主催の「芸能交流公演(結)」が2月、ハワイ沖縄センターで行われた。本公演は宜野座村70周年を記念し、ハワイ州と宜野座村の交流促進の一環として開催された。
村役場関係者や出演者、制作スタッフなどを含め村から77人の交流団が来布。「舞方」「長者の大主」「松竹梅」「獅子舞」など村松田区と漢那区で伝承されてきた演目が披露され、会場いっぱいに集まった県系人やハワイの観客を魅了した。
ハワイの宜野座村人会メンバーによる演目もあり、村人会メンバーのカズオ・イシカワさん(80)も地謡として参加した。イシカワさんはパラオ生まれ、漢那区育ちで1960年にハワイに移住した。ハワイで唄三線に目覚め、ヘンリー・ヒガ、シンスケ・ヤマシロ、カツミ・シンサトなどのハワイの著名な師範に師事し、琉球民謡と野村流古典音楽の師範免許を取得した。その後、友人、兄弟と地謡のグループを結成し、ハワイの琉球芸能公演を支えた。
今回の公演に地謡メンバーとして参加が決まっていた娘たちの要望で、約30年ぶりに唄三線演者として舞台に登場した。「久しぶりだったから、声が思うように出なかったけどね」とイシカワさん。ハワイと宜野座村の交流の懸け橋となる公演に関わることができた充実感が顔ににじんだ。
(矢部久美子通信員)