沖縄ガス売電参入 企業向け10月開始 東京大手と合弁会社


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 沖縄ガス(那覇市)と新電力大手のイーレックス(東京)は5日、電力の小売り全面自由化に合わせて、合弁会社「沖縄ガスニューパワー」を那覇市に設立し、10月から企業向けに小売り事業を始めると発表した。当面は本島内の太陽光発電による電力を買い取り、ホテルや工場向けに沖縄電力より割安な料金で供給する。数年後には、5万キロワット規模のバイオマス発電所など再生可能エネルギーの発電設備の設置も視野に発電事業にも乗り出す方針。

 合弁会社は本年度に2千~3千キロワット程度の電力を太陽光発電設備から集め、20~30件程度の企業に電気の販売を予定している。既に数社と電力の買い取りについて、再生可能エネルギー買い取り制度(FIT制度)の販売価格より高い価格で買い取ることで合意している。今後、供給先との交渉を進める。保有電力量によっては家庭向けへの供給も検討する。
 合弁会社の出資比率はイーレックスが60%で、沖縄ガスが40%。資本金は1千万円。代表権を持つ社長に沖縄ガスの湧川直明常務が就任し、専務にはイーレックスの田中稔道執行役員が就いた。事務所は沖縄ガス構内に設置。月内にも経済産業省に小売り電気事業者(新電力)として登録申請する。
 イーレックスは1999年に設立。昨年12月に東証1部上場を果たし、2015年度には契約件数が8千件を超えた。15年度の売上高は228億円を見込む。全国各地でバイオマス発電所を中心に自前の発電所を持っている。