飲酒規制緩和後に事件増 米軍措置に疑問の声 作業部会で自治体


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 国と沖縄県、県内市町村、在沖米軍などが米軍関係者の事件・事故防止策を話し合う「協力ワーキングチーム(作業部会)」の会合が19日、那覇市の外務省沖縄事務所で開かれた。県警からは2015年の米軍人・軍属などによる刑法犯摘発件数が34件・42人(前年比5件・15人増)、交通人身事故が168件(同28件増)、飲酒運転摘発が66件(同28件増)と、いずれも増加したことが報告された。

 米軍は「リバティー制度」で基地外飲酒を午後10時まで、ビール2杯までなどと制限していたが、2014年12月に午前0時までと緩和した。
 県内自治体の出席者は、リバティー制度の緩和に「米側の措置に疑問を持たざるを得ない」と批判した。
 冒頭、外務省沖縄事務所の中野大輔副所長が「先月、那覇市で痛ましい事件があったことは極めて遺憾だ」と述べ、3月の米兵による女性暴行事件に言及した。
 事務局によると、会合で米側からも事件は「遺憾だ」との見解が示された。
 米側は事件後、空軍の上級兵士を除き浦添市牧港補給地区より南での外泊を全面禁止したことや、兵士に性的暴力の防止に関する研修を実施したことを報告した。「リバティー制度のさらなる充実に向けて努力していく」と説明し、運用改善に努める考えを示した。
 一方、3月の女性暴行事件で逮捕された米兵が、リバティー制度に違反する形で外出、飲酒していた可能性が指摘されている件について、米海軍は「この事件は現在司法手続き中だ」との理由から違反の有無には言及を避けた。
 会合は年に1回程度開かれており、今回で24回目。