「カクテルパーティー」初上映 大城さん「沖縄理解の契機に」


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舞台あいさつで「アメリカ人監督が米軍基地を批判していることが迫力を生んでいる」と語る大城立裕さん=23日、那覇市のシネマパレット

 大城立裕さん(90)原作の映画「カクテル・パーティー」が23日、那覇市のシネマパレットで国内初上映された。大城さんの小説の初の映画化で、米国人のレジー・ライフ監督が映画化を決意し13年目の昨年に完成した。第8回沖縄国際映画祭の一環で上映され、当日券のみで準備された135席が発売とほぼ同時に売り切れた。

 原作は1965年に書かれたが映画では現代に置き換え、東京から沖縄に来て間もない家族の19歳の娘が米兵に暴行されるという設定。軍内部での捜査、容疑者の葛藤や、70年間も基地の重圧にさらされ続ける沖縄の人々の複雑な感情を丁寧に描いた。
 上映後、大城さん、ライフ監督らが舞台あいさつをした。大城さんは「世界中で上映され、沖縄の基地問題への理解が世界中に行き渡ればいいと思う」と述べた。
 ライフ監督は撮影に至るまでの苦労を振り返り、最後に涙を浮かべて「マイ・ドリーム・カム・トゥルー」と語り、「本当に本当にありがとう、本当に」と日本語で感謝した。
 今後の上映予定は決まっていない。チケット完売後、入れなかった人たちが再上映を要望していた。