ハイケイ「おいしく焼きます」 国頭ソウルフードにマイスター


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国頭村のソウルフードとしてハイケイ(廃鶏)をPRするハイケイマスターのメンバーら=24日、道の駅ゆいゆい国頭

 【国頭】国頭村内に知る人ぞ知るハイケイマイスターがいる。国頭村が「ソウルフード」として売り出すハイケイ(廃鶏)を上手に焼くことのできる人材をハイケイマイスターに認定し、村外にハイケイを広めて国頭村への誘客を図る試みだ。2015年7月にハイケイマイスター協会が立ち上がり、ことし3月から本格的な活動が始まった。

 ハイケイは卵を産み終わった鶏のことで、肉が固くなるためスープのだしに使われることが多い。国頭村ではスープにせずに肉をぶつ切りにして、炭火焼きで食べる習慣がある。「肉は固くても骨から味が出る。かめばかむほど肉汁と味が出てくるので、冷めてもおいしい」と、マイスター事務局長の前田浩也さんは誇らしげに語る。
 4月24日、国頭村の観光物産センター「道の駅ゆいゆい国頭」に、黒いポロシャツと黒エプロンに身を包んだハイケイマイスター6人が集結した。炭火で熱せられた網の上で手際よくハイケイを焼き、塩コショウで味付けする。「ちっちゃい頃から焼いて食べている。ここにいるハイケイマイスターはみんなハイケイ歴30年以上です」と前田さんは笑う。
 昔から地域で食べられてきたハイケイを国頭村のソウルフードとして広めようと、現在、村内の7人がマイスターに認定されている。今後は20代など若手も積極的に認定し、村全体でハイケイを売り出していく考えだ。
 ハイケイを初めて食べたといううるま市の長谷川和樹さん(34)は「少し固いけど、好きな味だった。国頭村のソウルフードとは知らなかった」と話した。
 マイスターは本年度、毎月国頭村内のイベントでハイケイを振る舞う予定。やんばるで育まれた村民の食文化は、国頭村の新たな観光資源になるかもしれない。