障がい者、シニアの旅費割高 沖縄県調査 バリアフリー強化へ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 観光バリアフリーを強化しようと、沖縄県はこのほどシニア層(50代以上)や障がい者の県内旅行実態を調査した。シニア層や障がい者の県内消費額は約10~15万円で、2014年度の観光客全体の県内平均単価(7万4502円)の1・4~2倍となったことが分かった。観光施設までの移動で、公共交通機関の代わりにタクシーなどを利用することが多いほか、割高なバリアフリー施設への宿泊などが要因。シニア層や障がい者の受け入れに向け、交通網をはじめ環境改善が求められている。

 県内で不便と感じたことは「移動」を挙げる意見が最も多く、「案内・情報提供」「バリアフリー対応などの宿泊施設の充実」を求める意見も多かった。
 県は昨年8月~今年2月まで那覇空港バリアフリーツアーセンター(BFTC)窓口でアンケートを実施したほか、旅行会社や障がい者団体などに聞き取り調査した。高齢者と障がい者に対してウェブアンケートも行った。
 同調査によると、BFTC利用者の県内消費額は県全体平均と比べて2倍超の15万6667円で最多となり、次いでシニア層は約2倍の14万4711円、障がい者は41・4%増の10万5360円だった。
 沖縄への再訪について、シニア層は92・7%、障がい者は96・5%が「また訪問したい」と回答した。県は高齢者や障がい者が情報収集に最も活用しているウェブを強化するため、日本語と英語の観光バリアフリーポータルサイト「バリアフリーOKINAWA」を開設した。バリアフリー支援・サービスの内容などを紹介するパンフレット日本語版5千部と英語版千部も作成した。
 県は「観光をリーディング産業とする沖縄は他の都道府県よりも先行し、シニア層や障がい者らを対象とした受け入れ体制の整備を進めていくことが重要だ」とした。