「三線で家族つながる」 親子3代 新人賞そろい踏み


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琉球民謡協会の民謡コンクールで、そろって新人賞を受賞した(左から)赤嶺路子さん、山川七海さん、雪子さん=6月25日、南風原町宮平

 【南風原】親子3代で民謡を学ぶ赤嶺路子さん(72)=南風原町、娘の山川雪子さん(49)=宜野湾市、孫の七海さん(9)=同市、大謝名小4年=が、6月に琉球民謡協会が開催した第34回民謡コンクールで、そろって三線の新人賞に合格した。三線を始めてわずか3カ月ほどでの快挙に喜ぶ3人は、「親子で一緒に三線を弾けるのが楽しい。いろいろな曲を弾けるようになりたい」と三線の楽しさを実感している。

 以前、地域の公民館で少し三線を習った経験のある七海さん。祖母の赤嶺さんと母の雪子さんを誘い、3月から琉球民謡協会師範の与那嶺信武さん(76)から指導を受け始めた。「どうしてもお母さん、ばあばあと一緒にやりたかった」と笑顔で語る。

 柳清本流柳清舞鶴会師範でもある赤嶺さんは南風原町に琉舞研究所を構えており、研究所に与那嶺さんを招いて、3人一緒に民謡の稽古を受けている。与那嶺さんは「3人とも素質がある。優秀賞、最高賞と挑戦してほしい」と評する。

 新人賞の課題曲は安波節。「もし間違えると、ブザーが鳴るので怖かった」と、コンクールでの緊張を語る七海さん。雪子さんも「次の音を考えながら弾いたので、少し間違えてしまったが、なんとか歌い通した」とほっとした表情。赤嶺さんは「緊張もあったが、子や孫と一緒に受験する楽しさがあった」と振り返る。

 4月には赤嶺さんの夫で七海さんの祖父・英助さん(84)のトゥシビーの座でも歌を披露した3人。赤嶺さんは「米寿のお祝いでも3人で演奏したい」と意気込む。

 「家族も興味を示して応援してくれている。三線で家族がつながっている」と笑顔で語る雪子さんは「工工四の読み方を覚え切れていないので、工工四を見ていろいろな曲を弾けるようになりたい」と意欲的。七海さんは「早弾きの曲も弾けるようになりたい」と目を輝かせた。